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ペルシアvs.ギリシャに始まり、現代に続く覇権争い…貿易戦争の世界史

2021年01月03日 公開
2021年08月02日 更新

宇山卓栄(著述家)

 

米中貿易戦争――中国が狙う現代版シルクロード 「一帯一路」

唐王朝、宋王朝、元王朝など中世の中国王朝は、シルクロードによる東西交易の富を力の源泉としていました。

中国は2014年、中央アジア、中東、東欧、東南アジア、アフリカまでの陸海を結ぶ現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を提唱し、影響力の拡大を画策しています。

かつて、元王朝は豊富な銀準備により、シルクロード交易経済圏で銀を流通させ、銀本位制の通貨体制を世界規模に拡散しました。銀によって各地を繫ぎ、銀を根拠にしたグローバルな交易、信用取引が活発に行なわれました。

今日、中国は「一帯一路」の経済圏を強固に結び付けるため、デジタル人民元をグローバル決済の手段として、流通させようとしています。デジタル人民元によって、ドルの基軸通貨体制を破壊することが、中国の狙いでもあります。

米中貿易戦争は貿易不均衡、地政学的な交易圏の囲い込み、通貨覇権抗争など歴史上、人類が経験したあらゆる軋轢を併せ持つ巨大断層として、我々の足元に横たわっているのです。

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