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「大河ドラマの時代考証」ってどんな仕事? 『麒麟がくる』の小和田哲男先生に聞いてみた

2020年06月25日 公開
2022年10月06日 更新

小和田哲男(静岡大学名誉教授),前田慶次(名古屋おもてなし武将隊)

 

戦国時代の越後は米どころではなかった!?

小和田:2009年に『天地人』という大河ドラマがありました。

慶次:我が盟友、愛の一文字の前立て兜で有名な直江兼続が主軸のドラマであるな。

小和田:そのなかで「越後は酒どころじゃ、米どころじゃ」というセリフが脚本にありました。越後は今でいう新潟、現在では米どころですよね。けれど、戦国時代では米どころではない、ましてや酒どころでもない。

慶次:謙信公は経済でも困っていた時もあったでな。

小和田:だから、このセリフは無しにしてもらいました。そういったことを、風俗考証の先生方と一緒にチェックしていきます。

慶次:なんと、時代考証以外にも考証担当者はおられるのか。

小和田:いろいろな考証の先生など20名程度と会議をして、台本を直していきます。

慶次:20名!『麒麟がくる』を作るのに多くの先生が集まっているのじゃな。小和田殿は時代考証の筆頭、筆頭家老を務められているということじゃな。

小和田:はは(笑い)まぁ、年の功です。

 

時代考証の仕事は放映の2年前から始まる

慶次:ちなみにどれくらい前から、ドラマの時代考証の仕事は始まるのじゃ。

小和田:そうですね、だいたい2年くらい前からですかね。

慶次:2年前!

小和田:2年前くらいに、ディレクターや脚本家から初めて相談されて、構想を詰めていき、撮影の1年前に第一稿の脚本ができあがってきます。その脚本を撮影までに3回くらい直しをして、という長い期間をかけて作っています。

慶次:役者の撮影などもあるので、締め切りが決まっていて大変な仕事ですな。

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