2019年03月18日 公開
2023年10月04日 更新
高知城望楼から市街を望む
高知城の天守・御殿の中を見学すると、その威容に驚かされる。まず本丸御殿だが、ここは賓客を面会するなど、公式の儀式のときに用いられた。日本で唯一、完全なかたちで現存する本丸御殿である(川越城本丸御殿は玄関と大広間が現存している)。
高知城の本丸御殿は「懐徳館(かいとくかん)」と呼ばれ、足を踏み入れると往時の「空気」「匂い」に身を包まれる。三ノ間と二ノ間の境には黒潮をモチーフとした「打ち分け波の欄間」を見ることができる。
また、正殿の上段の間も必見だ。城主の御座所であり、ここに幕末の名君・山内容堂はじめ歴代の藩主が座したと想像を巡らせると、思わず襟を正してしまう。
御殿を見学したあとは天守の内部へ。六階建てとなっており、各階に模型やパネルが置かれているので、高知と高知城の歴史を学ぶことができる。最上階の六階は望楼となっており、眼下には市街が拡がっている。
とはいえ、「お城を観に行っても、どう見学すればいいか分からない」という方もいるかもしれない。そんな方にお勧めなのが、NPO法人土佐観光ガイドボランティア協会によるガイドだ。
高知城を知り尽くす地元のガイドが、城をまわりながら見どころを解説してくれる。紹介した本丸はもちろんのこと、追手門や城内の石段と石樋も巡るので、まさしく「高知城のすべて」を知ることができるのだ(詳しくは高知城公式HPまで)。
高知県は今年2月1日より、高知の自然を生かした体験型の観光キャンペーン「リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~」をスタートさせている。自然も歴史も、現地を訪れて、地元の人びとと触れ合うことで、高知の魅力をより一層体感できるはずだ(詳しくは特設サイトHPまで)。
高知からは、幕末維新の原動力となった多くの人材が出た。そんな彼らが等しく見上げた「故郷の風景」が、高知城であった。今回、紹介した見どころはほんの一部に過ぎない。いまにその姿を残す「高知の至宝」を訪ねれば、思いがけない発見があるに違いない。
更新:11月22日 00:05