いま、高知県の歴史関連施設の充実ぶりが目覚ましい。昨年には「高知県立高知城歴史博物館」が開館し、今春には「高知県立坂本龍馬記念館」がグランドオープンするなど、歴史ファンとしては大いに気になるところ。そんな施設を体感すべく、編集部が早速高知へと飛んだ。
まず訪れたのは「高知県立坂本龍馬記念館」。土佐湾の真ん中に位置する浦戸湾先端の丘上にある。北、東、南の三方を海に囲まれ、西方の海岸沿いには平地が開けている。
坂本龍馬記念館の本館
記念館から徒歩で600mほど丘を下れば、かの有名な桂浜がある。高知といえば「坂本龍馬」、坂本龍馬といえば「桂浜」と言われるほど、桂浜は、国内有数の景勝地である。
さて、「坂本龍馬記念館」に入れば、そこはもう幕末維新一色である。新館1Fから入るとシアターコーナーがあり、2Fには展示室が三つある。龍馬の手紙を中心に、龍馬にまつわる様々な資料を鑑賞できる「常設展示室」、河田小龍を通じて龍馬の視野を広げたジョン万次郎を紹介する「ジョン万次郎展示室」、そして企画展が催される「企画展示室」となっている。
常設展示室の内部
新館2Fから渡り廊下を通って今回リニューアルを果たした本館2Fに入ると、そこは体験型展示の「幕末広場」となっている。幕末広場には龍馬が暗殺された近江屋の部屋も復元されており興味深い。また幕末だけでなく、長宗我部氏の歴史を紹介したコーナーもあり、様々な展示で楽しませてくれる。
近江屋の復元
長宗我部氏の紹介コーナー
黒船来航以降、日本全国には、尊皇攘夷の嵐が吹き荒れ、尊攘派の勢力は、とくに長州、薩摩、土佐といった外様大名の下級武士層によって急成長をとげた。土佐では武市半平太を代表する土佐勤王党が活動を開始。吉村寅太郎は脱藩の道を選び、同じく脱藩した龍馬は、勝海舟に師事。その後、龍馬は薩長同盟を周旋するなど倒幕へと邁進。さらには、後藤象二郎や藩主・山内容堂を動かして幕府に大政奉還を建白させる。
そんな龍馬と同じ時代を生きた120人以上の写真が、本館地下1階の「幕末写真館」に展示されている。日本史の教科書に出てくるお馴染みの幕末志士からその周辺人物に至るまでの写真が一堂に会しており、幕末当時の危機感や切迫感、志士たちの侃々諤々の議論が聞こえてきそうである。
幕末写真館
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龍馬に思い馳せる圧巻の眺望、そして長宗我部氏の居城跡も! >
更新:11月21日 00:05