2017年12月18日 公開
2022年07月14日 更新
映画やテレビの時代劇を見て、もっと詳しく知りたいと思うことがあるでしょう。そんな時、どこから手をつければいいのでしょうか。
現在なら、まずインターネットを活用するのがいいでしょう。あまり知られていない人物まで、ネット上で取り上げられていることがあります。ネットの記事は出典があきらかでないと言われることもありますが、Wikipedia などはきちんと出典を記すことを推奨しており、とりあえず調べる時には参考になります。
ネット上で活用できるサイトとして、ジャパンナレッジ(Japan Knowledge)があります。これは有料(月額1620円)ですが、小学館の『日本国語大辞典』、吉川弘文館の『国史大辞典』、平凡社の『日本歴史地名大系』などが入っていて、簡単に検索することができます。
このほかジャパンナレッジには、平凡社『東洋文庫』で活字になった史料も入っています。松浦静山の『甲子夜話』のような大部の史料の場合、メモしていないとかつて読んだ記事がどこにあったかを探すのも一苦労なのですが、このサイトで検索するとすぐに出てきます。
ジャパンナレッジの東洋文庫で明智光秀を検索してみましょう。すると64件が出てきます。ルイス・フロイスの『日本史』やフランソア・カロンの『日本大王国志』のほか、『室町殿物語』などが出てきます。また、『甲子夜話』なども出てきて、江戸時代に光秀がどのように語られてきたかを知ることができます。さらに、『前野蘭化』からは、前野良沢が明智光秀の家臣の子孫だという説があったこともわかります。
暇な時に、思い立った人物名や用語で検索すると、思いがけない発見があるのもこのサイトのいいところです。
これまでは、こうした史料を買い揃えるのもたいへんでしたし、なかなか全部を読むこともできませんでしたが、今はサイトに登録するだけで自分の書斎が充実し、知識も格段に増えることになります。
東京大学史料編纂所のホームページからは、「大日本史料総合データベース」で『大日本史料』を検索することができますし、古文書や古記録などの「フルテキストデータベース」ではこれまで刊行された『大日本古文書』『大日本古記録』の全文検索ができます。うろ覚えの文書や歴史的用語の用例を探す時、このデータベースは威力を発揮します。
私が担当して作成した「近世編年データベース」は、史料編纂所で編纂された『大日本史料』の原稿である『史料稿本』のほか、『天皇皇族実録』『通航一覧』『東京市史稿』『加賀藩史料』『会津藩家世実紀』など江戸時代から現代までに作成された編年史料を、年月日や事項・人名で検索できるデータベースです。最近では、これで史料を検索して論文を書いている若手研究者も多く、役に立つデータベースだと自負しています。ぜひ覗いてみてください。
更新:11月21日 00:05