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【歴史街道脇本陣】 私のイチオシ! 歴史小説・時代小説 ランキング

2014年02月28日 公開
2022年11月14日 更新

『歴史街道』編集部

 今回のお題は、好きな歴史小説・時代小説です。文句なしに納得の名作から、最近の気鋭作家の作品までがずらりと勢揃いし、いずれも読んでみたいものばかり。多くのご回答をいただき、誠にありがとうございました。

 さて、結果はと申しますと、若い世代の方は最近の作品を挙げておられますが、幅広い世代で支持を得たのはやはり司馬遼太郎、吉川英治、池波正太郎の複数の作品。多くの読者を獲得した不朽の名作の力を実感しました。では、そこに食い込んだ最近の作品とは…。

 以下、ご紹介いたします。

第1位 『竜馬がゆく』(司馬遼太郎) 得票率 11.1 %

第2位 『坂の上の雲』(司馬遼太郎) 得票率 9.0 %

第3位 『利休にたずねよ(山本兼-) 得票率 5.2 %

第4位 『燃えよ剣』(司馬遼太郎) 得票率 4.0 %

第5位 『三国志』(吉川英治) 得票率 3.5 %

第6位 『鬼平犯科帳』(池波正太郎)) 得票率 3.0 %

第7位 『徳川家康』(山岡荘八) 得票率 2.4 %

第8位 『のぼうの城』(和田竜) 得票率 2.2 %

第9位 『剣客商亮』(池波正太郎) 得票率 1.9 %

第10位 『宮本武蔵』(吉川英治) 得票率 1.9 %


 

読者を虜にした若者の青春像

 堂々の第1位に輝いたのは、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』。それまで有名ではなかった坂本竜馬を、一躍日本人のヒーローにしたと言われるほど、竜馬の青春を魅力的に描いた作品です。

 幅広い層の竜馬ファンのバイブル的な存在として、絶大な支持を集めました。

 寄せられたご意見には、「型破りな竜馬の生き方に憧れる」「新時代を切り拓いた姿に惚れた」など、時代の扉を押し開けるべく、幕末を闊達に生きた竜馬への憧憬が多く見受けられました。多くの経営者や指導者の立場にある方も、座右の書として挙げておられます。混迷の時代を自分の力で切り拓いていく姿には勇気づけられますね。納得の1位です。

 第2位も同じく司馬遼太郎作品の、『坂の上の雲』。明治の近代国家建設の中で直面した日清・日露戦争。それに立ち向かっていく秋山好古・真之兄弟や正岡子規ら明治の青年の溌溂とした姿を描いた群像劇です。

 「激動の時代の壮大なドラマに胸が躍る」「前向きに生きた明治の人々の姿に感動した」「日本人の誇りを考えさせられる」と、新しい時代に躍動する日本人のひたむきな姿が、多くの読者の心を掴みました。

 「テレビドラマを観て興味を持った」というご意見もあり、映像化されたことでさらに人気が広がったと思われます。

 第3位は、山本兼一の『利休にたずねよ』。茶の道を志し、独自の美の世界を拓いた千利休の美学と淡い恋を描いた作品です。

 「利休が好きだから」「わびさびの世界がとてもよくわかる」というご意見が多く、なかには「茶道を嗜んでいて興味を持った」という方もいらっしゃいました。

 昨年12月に公開された映画を観て原作を読んだという方も多く、映画だけでは飽き足らず、一味違う原作の世界を堪能したいという向きも多いようです。

 

人間ドラマから生き方を学ぶ

 第4位は、またまた司馬遼太郎作品で、『燃えよ剣』。新選組の「鬼の副長」土方歳三の生き様を描いた作品です。竜馬と同様に、土方歳三といえば『燃えよ剣』と言われるほど、魅力溢れる土方像を描き出しています。

 「時代に逆行しても己の節義を貫く姿がかっこいい」「学生の時に読んで土方の生き方に憧れた」「これまで何度も読み返している」など、熱く男らしい土方に魅了されたご意見が多く寄せられました。「誠」の旗を掲げて剣に生きた土方は、竜馬とはまた違うタイプですが、どちらも魅力的で、男が惚れる男ですね。

 第5位は、吉川英治の『三国志』。『三国志演義』に基づき、独自の創意を加えて人物たちを活き活きと描いています。特に、敵役の曹操の人間的な魅力を引き出し、日本人のファンを増やしました。

 「人間模様や戦い、政治の駆け引きなどが面白い」「おなじみの登場人物と舞台だが、何度読み返しても新しい発見がある」など、個性豊かな人物たちが織りなす三国志ならではのドラマから、人生の多くのことを学べる名作です。

 その他、寄せられた多くの作品は、いずれも作家独自の世界観、人間観が描かれており、面白いことはもちろんですが、作品を通じて生き方を学べるものばかりでした。この冬、コタツで暖をとりながら、じっくりと名作を読み耽ってみたくなります。

 今回もたくさんのご回答をいただき、誠にありがとうございました!

 

 さて、以上、第7回の結果発表でした。いかがですか。
意外、想像通り、私なら……。ぜひ、あなたもご参加ください。
現在募集中のお題・WEBでの投稿は  こちら  から。

第8回 あなたの好きな歴史映画 のランキング結果は、『歴史街道』2014年4月号(3月6日発売)誌上で発表しています。
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