2021年05月28日 公開
2022年07月27日 更新
2020年5月号では、「『逆境に強い』歴史上の人物」ランキングを実施しましたが、今回は少し変わって「不屈の人物」ランキングです。誰もが不屈ぶりを知る人物から、知られざる不屈エピソードを持つ人物まで、様々な名前が並ぶ結果となりました。
今回、病院・看護の改革に尽力した看護婦フローレンス・ナイチンゲールや、作曲家ベートーヴェン、「地動説」を証明しようとした学者ガリレオ・ガリレイといった人物にも票が入りました。各人物の成した偉業を知っている方は多いと思いますが、その陰にあったそれぞれの不屈の精神を知ると、「成果」の重みがより深く感じられるのではないでしょうか。
それでは、今回の結果を細かく見ていきましょう。
他を退け、見事第1位に輝いたのは徳川家康! なんと「逆境に強い人物」ランキングでも1位という強者です。「幼少期の人質としての不遇にも耐え、信長、秀吉時代にもうまく立ち回り、弱小国三河の大名から天下人にまで大出世したのは、まさに不屈の精神が為せるわざ!!」(40代、女性)といった、数々の苦境に腐ることなく、常に上を目指し続けた姿に多くの票が集まりました。
第2位は、「逆境に強い人物」ランキングでも同じく二位という好成績だった、織田信長。「天下統一という目標に向かって、屈することなく前進していたから」(30代、女性)など、「最後まで己を貫いた」ことを挙げる意見が多く見受けられました。
続く第3位にランクインしたのは、山中幸盛 (鹿之介)。こちらは「逆境に強い人物」ランキングの圏外から大躍進です! やはり「尼子家再興の為、七難八苦を三日月に願い、最後まで毛利氏と闘い続けていた」(30代、男性)点が高く評価されての、上位ランクインでした。
第4位には3人が並びます。まず1人目は、真田信繁(幸村)。関ケ原後の九度山での蟄居や、大坂の陣での劣勢に膝を折ることなく、命尽きるまで家康に立ち向かい続けた姿に、「不屈」を感じた方が多数でした。
2人目は、「司馬遼太郎先生の『翔ぶが如く』で西郷の生き様を『不撓不屈』と感じました」(70代、男性)や、「島流しになろうが、明治新政府内にてはじかれようが、己の意思を貫き通した」(70代、男性)といった意見から、維新の三傑の一人、西郷隆盛。
最後は、ランキングの人気者・坂本龍馬が、「日本の夜明けを疑わずに、諦めず前に突き進んだから」(40代、女性)などの意見からランクインしました。
「逆境に強い人物」ランキングでは3位だった豊臣秀吉ですが、今回は他の三英傑に水をあけられてしまい、第7位という結果に。しかし、「農民から天下統一まで成し遂げた。不屈の精神力がないと無理だと思います」(50代、男性)と聞くと、他の2人に負けていないようにも……。
第8位には、編集部としては意外な人物だった、奈良時代の僧・鑑真が入りました。正しい仏教の教えを伝えるため、唐から日本へとやってきて、唐招提寺を開いたことで知られる鑑真。しかし日本への渡航の旅路は困難なもので、幾度も失敗し、途中で失明もしてしまいます。そのため、「渡航に5回失敗しても、6回目でようやく成功するまで諦めなかったから」(40代、男性)や、「目が不自由になっても決心は変わらなかったからです」(40代、女性)といった票が集まりました。
そして第9位には、2人が並びます。1人は、有岡城に幽閉された際、劣悪な環境で足が不自由になったともいわれるが耐え抜き、救出後には秀吉の参謀役として活躍した黒田孝高(官兵衛)。
もう一人は、「隠居後に天文学者に弟子入りして、日本地図を作る為に測量をした人。歳を経てから新しいことに挑戦し、人の為になることをやり遂げた」(40代、女性)伊能忠敬がランクインしました。
ここからは、興味深い意見をまとめて紹介します。
▼後醍醐天皇「隠岐に流されても帰京し、さらに吉野に逃れても南朝を立て、終生武家政権と戦った。正に不屈の人物」(70代、男性)
▼ヘレン・ケラー「肉体的不自由を乗り越えた教育者」(50代、男性)
▼仙石秀久 「九州征伐を失敗、領地を没収されたけれども、小田原征伐時の汚名返上するような活躍により、大名として返り咲いたため」(30代、男性)
「逆境に強い人物」ランキングと比べてみると、約4割が入れ替わる結果となりました。
また、ランキングは日本史上の人物のみとなりましたが、今回の投票には世界史を含め、多くの歴史上の人物の名前が挙がりました。昨今、日本人が打たれ弱くなったという声も聞きますが、己の意思を貫く「不屈の精神」を知るという点でも、歴史を学ぶ意味はあるのではないでしょうか。今回もたくさんのご投稿、ありがとうございました!
更新:11月21日 00:05