2018年12月16日 公開
2022年07月27日 更新
今回のお題は「あなたが応援したい幕末の藩は?」です。薩長土肥の四藩と会津藩とが接戦を繰り広げるかと思いきや、1位の藩が圧倒的な得票率で、他藩を引き離す結果となりました。これほどの差が出るとは、予想できなかったのではないでしょうか。
今回は、全部で32の藩の名前が挙がりました。ちなみに「江戸三百藩」といわれますが、当初は190藩ほどで、元禄4年(1691)には約240藩、慶応元年(1865)には約270藩、そして廃藩置県が行なわれた明治4年(1871)でも約280藩と、実は300藩には達していません。つまり、正確には「江戸“もう少しで”三百藩」ですね(笑)。
会津若松城
大河ドラマ「八重の桜」でも注目を集めた会津藩が、堂々の第1位! 「家訓にもある将軍家への忠義を貫き、藩をあげ勤皇と京都の治安を守った。その姿勢を貫徹した姿は、今でも学ぶことが多い」(50代、男性)、「四面楚歌の状態の中で、『逆賊』呼ばわりされても、自分たちの忠義を曲げなかった。その潔さに惹かれます」(30代、男性)など、やはり多くの方が、最後まで徳川家への忠義を貫いた姿と、その後、逆賊の汚名を着せられ、苦難の道を歩まざるを得なかったことに胸を打たれ、「応援したい藩」として挙げていました。「その悔しさも愚かさも儚さも全て含めて、地元会津藩を推します」(40代、男性)という、故郷への愛が伝わるコメントも。
他藩では「好きな人物がいる」という意見も多くありましたが、会津藩に関しては、ほぼ全員の方が藩の在り方を理由に挙げました。実直に生きた姿は、私たちの考える「日本人としての美しさ」を体現しているのかもしれません。
2位から5位には「薩長土肥」の雄藩が並びました。
第2位は、大河ドラマ「西郷どん」の主人公・西郷隆盛らを輩出した、薩摩藩。「西郷が好き」という意見が大半でしたが、「子どもの教育がしっかりしていたこと。藩主がきちんとビジョンを持ち、それを進めたこと」(50代、男性)という意見もありました。
続いて「吉田松陰、高杉晋作、伊藤博文などメンバーがとても豪華」(30代、女性)や「個性豊かだけれども、同じ志を持って日本を変えようとしたところがかっこいい」(20代、女性)などの意見から、長州藩が第3位に。
三重津海軍所跡(佐賀市)
そして第4位には、「他藩に先駆けて西洋化を進め、独学で蒸気船や蒸気機関車を開発したオリジナリティは、幕末オンリーワンの存在」(30代、男性)という、当時、反射炉など国内最先端の技術を有していた点が評価され、佐賀藩がランクイン。しかし一方では、優れた人物を輩出しているのに「知名度が低い」ことから、応援したいとの声も。
第5位は、坂本龍馬ファンから票が集まった土佐藩。選んだ理由には中岡慎太郎、後藤象二郎、板垣退助の名前も挙がりました。
「薩長土肥」ならぬ、「薩長肥土」の順番になりましたね。幕末と聞くと、どうしても薩摩・長州・土佐に目が行ってしまいますが、佐賀藩にも注目すべき点が多くありました。興味を持たれた方は、ぜひ詳しく調べてみて下さい。
長岡藩軍事総督・河井継之助
第6位は、ガトリング砲の購入など、軍制の近代化に務めた河井継之助で知られる、長岡藩。
続く第7位は、御三家の一つゆえに、苦しい立場に置かれた尾張藩。
同率第8位には、西郷隆盛のおかげで生き残れた庄内藩と、奥羽越列藩同盟の盟主であった仙台藩がランクイン。
第10位は、「もっと存在を示してほしかった」(60代、男性)といった理由が多く見受けられた水戸藩でした。
そのほか、興味深い意見をまとめて紹介します。
▼福井藩「藩主・松平春嶽を始め、橋本左内、由利公正など藩士が尊王開国を主張し、他藩とは一線を画して改革を始めようとしていた」(70代、男性)
▼西大平藩「江戸町奉行・大岡忠相の小さな藩ですが、そんな小さな藩でも幕末を生き延びた凄さ」(30代、男性)
▼天童藩「信念を曲げなかった家老の吉田大八(守隆)の生き方が好き。天童藩は、彼の活躍で歴史に名を残すことになったと思う」(60代、男性)
いわゆる「推し藩」ランキング、いかがでしたでしょうか。故郷・地元愛に溢れる票が多く届きましたが、この機会に、自分にゆかりのある地の歴史を調べてみるのも、面白いのではないでしょうか。今回もたくさんのご投稿、ありがとうございました。
更新:11月21日 00:05