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「志国高知 幕末維新博」、第二幕へ

2018年03月29日 公開
2023年10月04日 更新

『歴史街道』編集部

 

 「平成の海援隊」プロジェクト。右から4人目が高知県の尾﨑正直知事

 

「平成の海援隊」、始動

 そんな第二幕開幕を前に、満を持して始動するプロジェクトが、「平成の海援隊」構想である。

 同プロジェクトは、「『志国高知 幕末維新博』を通じて、高知の魅力を発信したい」と考える高知県と、「自分たちがもつアイデア、ノウハウ、ネットワークで地域の魅力を世界に展開しよう」と考える企業や団体が、「地方の魅力を世界に発信し、新たな地域活性につなげていく」という同じ志のもとに集結し、さまざまな展開を行なっていく――というものだ。

 参加企業の分野は、飲食、ファッション、玩具など多岐にわたっている。それぞれを紹介すると、

 

①atmos(株式会社テクストトレーディングカンパニー)

 atmos、chapter、kinetics、Tokyo23といった屋号でスニーカーを中心としたセレクトショップを展開するアパレルメーカー。

 今回は、坂本龍馬などを題材としたスニーカーやグッズを展開予定。

 

②WAREHOUSE COMPANY × BERBERJIN

 WAREHOUSE COMPANYは1995年に誕生した「ヴィンテージ古着の忠実な復刻」をテーマとするブランド。

 今回は、高知県出身でもあるBERBERJINの藤原裕氏とタッグを組み、ジョン万次郎がはいたとされるデニムを再現し、120本限定で販売予定。

 

③株式会社DDホールディングス

 飲食・アミューズメント・ウェディング・カプセルホテルなど幅広く、国内外あわせて400店舗以上を展開。

 今回は、月間来店者約4.5万人の土佐料理専門店「わらやき屋」などで高知県産食材を使った料理の提供や観光情報を発信予定。

 

④トランスフォーマープロジェクト

 展開内容は、6月22日に詳細を発表予定。

 

⑤株式会社 DeNA Games Tokyo

 DeNAグループとしてゲーム事業のさらなる発展を目指す中で、“ゲーム運営”に特化した会社として2015年に設立。

 今回は、自社が運営する人気ゲームにおいて、高知県の偉人や名産品等をアイテム化するとともに、幕末の志士をキャラクター化して登場させるなどの展開を予定。

 

⑥株式会社レプロエンタテインメント ユージ氏

 人気タレントであるユージ氏は、昨年から幕末維新博地域会場の岡御殿に隣接する古民家「西の岡邸」(高知県田野町)の『庭修復プロジェクト』にリーダーとして参加。

 今後は、同プロジェクトの磨き上げや土産物販売企画などを展開予定。

 

「高知LOVE」の言葉に共鳴

 このように、「平成の海援隊」では、共通の志のもと、ジャンルをこえた才能ある人物たちが一堂に会していることがわかる。

 先日、その「出航式」ともいうべき催しが都内で行なわれたが、高知県出身で高知県観光特使も務める株式会社DDホールディングス・松村氏の「高知LOVE」の掛け声に皆が呼応するなど、大変な熱気を放った。

 じつは、この熱こそが、土佐藩を援けつつ世界雄飛を目指す「海援隊」の最大の魅力であり、龍馬がめざした組織のかたちであった。

 志を同じくしながらも、それぞれが自分の強みを活かして、世界を見据え続ける。「平成の海援隊」は、そんな龍馬が築き上げた「海援隊」と、まさしく同じかたちのプロジェクトといえるだろう。

 「明治150年というタイミングを契機に、50年、100年先の日本に向けた『志』を現代に再び集結させた」とは、尾﨑高知県知事の言葉だ。広い裾野と先見の明を持ち、なおかつ自由な立場でそれぞれが地方の魅力を全国や世界に発信する。これからの地域振興のモデルコースとなりうる試みであることは間違いない。

 そしてなによりも、同プロジェクトになにがしかのかたちで触れれば、いまに息づく「土佐の志士」たちの志を感じることができるだろう。

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