2018年01月30日 公開
2022年07月27日 更新
何かと注目される主役級の偉人たちの陰に隠れた、日本史の脇役たち。普段はあまり光が当たらない彼らだって、もっと注目されてもいいのでは? 熱い想いを持った歴史好きな皆さまのご応募により、意外な人物やなかなか渋い人物も含め、多くの名前が挙がりました。主役を助け、支え、黒子に徹する一方で、時には暗躍もする脇役たちに、スポットを当てていきましょう。
今月のお題は「日本史上における名脇役は?」です。小説や映画、ドラマなどでは、主人公を引き立てる名脇役の存在が欠かせません。日本史でも、脇役がいたからこそ主役が輝くことも……。この機に、お気に入りの脇役を探してみるのもいいですね。
豊臣秀吉の軍師として名高い黒田官兵衛が、第1位に輝きました。2014年の大河ドラマでは主役を張ったものの、脇役としての人気が根強いようです。「本能寺の変の直後に、秀吉に素早く軍を引き返して明智光秀を討つように提言するなど、秀吉を支えて天下人に仕立て上げた」(30代、男性)など、官兵衛の功績は計り知れません。
一方、官兵衛と同じ主人の元で、官兵衛より少し早くから仕えていた軍師・竹中半兵衛が、第4位にランクインしています。「かざらず控えめでありながら、秀吉の天下取りを助けた重要人物」(40代、女性)として、健気に主人を盛り立て続けました。秀吉の栄光を見ることなくこの世を去った半兵衛。儚いその人生に、ロマンを感じてしまいます。
両兵衛の主人・豊臣秀吉自身も、第10位に入りました。「秀吉は、叩き上げの下積み時代が長かったから」(60代、男性)とあるように、信長の草履取りから始まった秀吉。名脇役でありながら、最終的には主役に成り上がった珍しい例かもしれません。
秀吉の弟の豊臣秀長は、大健闘の第2位。秀吉の陰に隠れがちですが、「秀吉と家臣の間の調整役を見事にこなし続けていた。事実、秀長が死去してから内紛によって家中がバラバラになった」(40代、男性)など、彼の死によって豊臣の天下に陰りが……との意見が寄せられました。
第5位の片倉景綱は、「小十郎」の名で、伊達政宗の右腕として知られています。主のためにその右目を抉り取ったり、生まれた我が子を、子のいない主人に気兼ねして殺そうとしたり、何かと過激な景綱ですが、「生涯すべて政宗の側で過ごした忠義には感動」(40代、男性)と、天下人たちから家臣に、と勧誘されても揺れなかった姿に、賞賛の声が集まりました。
奉行として豊臣家を支え、関ケ原で敗れた石田三成は第8位。「主役になれない感じが良い」(40代、女性)など、一番手にはなりきれない、不器用な三成への女性票が多かったことが印象的でした。
三成の盟友・直江兼続も第8位にランクイン。「上杉景勝に仕え、利のみを求める戦国時代に、『愛』を重んじ『義』を貫き通した武将だった」(50代、女性)というように、私心なく主家に尽くした兼続は、名バイプレイヤーの鑑でしょう。
前述の忠臣3人に対して、裏切り者として有名な明智光秀が、意外にも第六位。「歴史的な大事件を起こしたから」(20代、女性)など、本能寺の変で天下を引っくり返したものの、主役・織田信長の脇役として認識されていることがわかります。
続いて第7位には、山本勘助が入りました。「あの武田信玄の名参謀だから」(40代、男性)と、偉大な信玄も認めた手腕が評価されています。
戦国時代の男性ばかりランクインするなかで、幕末の女性、楢崎龍(おりょう)が堂々の第3位に。夫は、かの有名な坂本龍馬。「龍馬が寺田屋で遭難した時、入浴中だったのに袷一枚で飛び出して龍馬に危険を知らせたという話。こんな女性かっこよすぎます」(30代、女性)など、強さと情熱を以て、龍馬を助けたおりょうさんの人気は高いようです。
このほか、11位以下には、こんな名前が挙がりました。
▼保科正之「江戸城の燃えた天守閣の再建を認めなかった。将軍家としての威厳より、幕府の財政を考えていた」(40代、女性)
▼中臣鎌足「子孫代々が常に時の天皇の側にあり、表裏で政治に影響を与えている」(50代、女性)
今回は、特に多様な人物の名前が挙がり、票が分散したように思います。たくさんのご応募ありがとうございました。
更新:11月23日 00:05