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今年の秋は高野山があつい!?(後編)

2015年09月17日 公開
2023年10月04日 更新

『歴史街道』編集部

前編では、高野山・金剛峯寺内の代表的なスポット、建造物をご紹介しました。
私も実際に訪れて驚いたのですが、ひとくちに「金剛峯寺」とはいっても、一般的なお寺のようにこぢんまりと仕切られた敷地内にまとまっているわけではありません。
大門(玄関口)から奥之院(戦国時代から現代まで、著名人の墓がずらりと並ぶ)までは4キロほど。奥之院内も、ゆっくり見て回ると1時間はゆうにかかります。

高野山

どーんと続く参道。脇には、20万以上の墓碑。

高野山

高野山の宿坊協会の方曰く、奥之院は特に門など無く、夜でも入ることができるので、日が暮れてから散策する方も多いとのこと。
夜中に墓地なんて……とは思いますが、あまりに有名人が多く眠っているので、化けて出てきてもあまり怖くない、というかむしろ幽霊でもいいから会いたい、という参拝客が多いのでしょうか?(笑)

高野山高野山

近年は外国人観光客も多い高野山ですが、この奥之院は海外の方にも人気が高いそうです。確かにキリスト教、イスラム教系の墓地とは全然雰囲気が違って面白いかもしれません。

高野山

この参道を2キロほど歩くと、最奥に弘法大師が眠る廟が。高野山では、弘法大師はまだ休んでいるだけ、亡くなっているとは見なされません。ゆえに今も毎日、食膳が供えられているそうです。

このように高野山は、山上に広がる町全体が境内かのようなスケールの大きさです。もちろんここは本来空海が寺院建立のためにひらいた場所、お寺のための町なのですが……。

さて続けて、金剛峯寺の中心区域・壇上伽藍の内部をご紹介しましょう。
伽藍とは、僧侶たちの修行場を意味する言葉で、ここ壇上伽藍も、高野山開創の際、空海によって最初に築かれた「聖なる道場」と位置付けられています。
この壇上伽藍には、鮮やかな朱色の根本大塔をシンボルに、金堂、御影堂(みえどう)、東塔、西塔などいくつもの堂塔が配置されています。

高野山

↑根本大塔を覗く
近年再建された建物は朱塗りが新しく、木肌がそのままさらされている建物とのコントラストも面白いです。
↓御影堂、金堂

高野山

高野山

高野山根本大塔の中には、16本の柱それぞれに極彩色で菩薩の絵が描かれ、さらに大日如来ほか五体の金色の如来像が鎮座。
決して広くはない塔内にこれだけの仏がぎゅっと詰まって並んでいる様は圧巻です。
密教では、一枚の紙の中にたくさんの仏の姿が幾何学的に配置され描かれる「曼荼羅」が重宝されますが、根本大塔の内部はそれを三次元で表現した「立体曼荼羅」なのだそうです。




 

が、残念ながら内部の撮影は禁止……。

高野山

↑壇上伽藍のひとつの名物、三鈷(さんこ)の松。
日本でどこに道場をひらこうか迷った弘法大師が、唐から三鈷杵を投げたところ、この松にひっかかったので高野山に決めたという伝説が残ります。

この壇上伽藍の他にも、前編で少しご紹介した大門、そしてもちろん境内まで、金剛峯寺は見どころばかりです。

高野山

単なる由緒あるお寺というだけでなく、ところどころ武将ゆかりの遺物が見られるのも楽しいところです。

高野山高野山

↑家康の霊廟、秀忠の霊廟

さらに、日帰りでなく、宿泊すればこんな豪華(!)な精進料理も。

高野山

高野山高野山

↑いがぐりの正体は、実はそうめんを揚げたもの!
高野山の精進料理はこんなふうに、旬を意識しながらたくさん工夫が凝らされています。(提供:一乗院)

開創1200年の今年の秋はイベントも目白押し、紅葉も見事な高野山へぜひお出かけされてはいかがでしょうか。


高野山http://www.nankaikoya.jp/event/koyasan1200/index.html

撮影◆寿福滋

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