歴史街道 » 地域の魅力 » 今年の秋は高野山があつい!?(前編)

今年の秋は高野山があつい!?(前編)

2015年09月03日 公開
2023年10月04日 更新

『歴史街道』編集部

「歴史街道」10月号の発売が明後日に迫っています。
総力特集は「真田幸隆と昌幸」ですが、私は別の記事の取材で、先週高野山に行ってきました。

一番の目的は、宿坊ステイ!
宿坊とは、宿泊施設を兼ねたお寺のことです。高野山では、一般客も、予約をすれば普通に泊まることができます。
なぜわざわざお寺に? と思われた方、詳しくは10月号記事をご覧いただくとして……。

ここでは、紙幅の関係で記事に載せられなかった写真を公開しましょう。

高野山は、今年開創1200年。空海がこの地に寺をひらいて以来、途絶えることなく、真言宗の総本山――いや、もはや日本仏教の聖地でありつづけています。

中心にはもちろん、金剛峯寺。

高野山

一口に金剛峯寺といっても、
大門(お寺の入口)

高野山

壇上伽藍(大塔や金堂が並ぶ、お寺の核部分)

高野山

奥之院(数々の著名人の碑が並ぶ、墓地)

高野山

……と、車が必要なほど広い!

これら敷地の中で、1200年を記念して、いま多くの建物が再建、修復されています。
最も注目を集めているのは、壇上伽藍の入口・中門。

いかにも真新しいこの門は、実は今年、172年ぶりに一から再建されたもの!
天保14年(1843)に焼失して以来です。新しいとはいえ、建築様式は鎌倉時代のものを踏襲しています。

 

さらに、門の左右表裏を守る四天王。

それぞれみな、顔つきやモチーフが異なるのが面白いですが、上の二体は、今年新たに仏師の手で制作されたものです。
古来この中門では、二天王が睨みをきかせていました。天保14年の火災の際、門は焼け落ちたものの、二天王は救出され、別所に安置されていましたが、それがこのたび、新顔とあわせて戻ってくることになりました。

この門もたとえば100年後には、文化遺産として人々の崇敬を集めることになるのかと想像すると、歴史の節目に立ち会っているようで不思議な高揚感を覚えます。

後編では、壇上伽藍内にそびえたつシンボル・根本大塔や、奥之院を紹介しましょう。

それにしても、取材は10日ほど前でしたが、東京より5度は低い高野山の冷気(霊気?)が早くも懐かしい……。

撮影◆寿福滋

歴史街道 購入

2024年12月号

歴史街道 2024年12月号

発売日:2024年11月06日
価格(税込):840円