2021年11月06日 公開
2023年12月13日 更新
今回のお題である「いま日本の総理大臣になってほしい歴史上の人物」は、2015年2月号でも取り上げました。その時には、1位が坂本龍馬、2位が織田信長、3位が徳川家康……という並びになりましたが、日本の情勢も大きく変わった今、結果に変化はあるのでしょうか。 それでは、過去のランキングとも比べつつ、今回の結果を細かく見ていきましょう。
1位:坂本龍馬 16.6%
2位:織田信長 13.3%
3位:徳川家康 8.6%
4位:聖徳太子 4.8%
5位:渋沢栄一 3.8%
6位:西郷隆盛 3.6%
7位:豊臣秀吉 2.2%
8位:田中角栄 3.2%
9位:徳川吉宗 2.0%
10位:徳川慶喜 2.5%
今回も第1位は坂本龍馬!「柔軟性と明確なビジョンを持って政治に取り組んでくれそう」(20代、女性)や、「コロナ禍で世界が迷走する中、圧倒的なリーダーシップで日本を洗濯してもらいたい」(40代、女性)のほか、閉塞感のある今の日本を元気にしてもらいたい、といった意見も多く届きました。
第2位も変わらず、織田信長がランクイン。「難題に対してもスピード感あふれる政治、並びに行政を執り行なうはず」(70代、男性)という決断・行動の速さや、「日本の昔からの悪い伝統やしがらみを打破できそう」(60代、男性)などの改革への期待に加え、信長のような苛烈な人物に国を導いてほしい、と考える方も少なくありませんでした。
なんと、続く第3位も変化なく、徳川家康。上位2人には「動」を求める声が多かったのに対し、家康には「江戸時代のような長く安定した時代を築いてくれそう」(30代、女性)など、「静」を望む声が多かったのが印象的です。また、「龍馬や信長は一匹狼っぽくて統制がとれない。統率力をもった徳川家康が無難では」(50代、男性)との意見もありました。
第4位は、聖徳太子。こちらも前回と同じ順位です。「いろんな要望を聞き入れて実行してくれそう」(20代、女性)との意見が大半を占めた一方で、「(今の日本を正常化するには)一般人じゃダメ、神がかったこの人しかいないと思う」(50代、男性)というユニークな評価も。
第5位には、大河ドラマの主人公として注目の「日本資本主義の父」こと渋沢栄一が入ります。前回のランキング圏外から大躍進を果たしました。経済を中心とした「日本の立て直し」を多くの方に期待されての、上位ランクインとなりました。
第6位は、前回9位から上がった、西郷隆盛。「人を思いやる政治をしてくれそう」(40代、女性)など、その人柄への票が多数集まりました。 その後には、「弱者に寄り添った政治をしてくれそうな気がします」(40代、男性)との声が届いた豊臣秀吉が、前回から一つ下がって第7位に入りました。
ここからは、前回ランキング圏外だった人物が続きます。まずは、珍しく近年の人物であり、実際に総理大臣も務めた田中角栄が、「良い意味でも悪い意味でも芯が通っていて、言葉が伝わるから」(30代、男性)として第8位。続いて、8代将軍・徳川吉宗が第9位に。「吉宗の行なった諸改革は今の時代の参考になると思ったから」(50代、男性)という、令和版「享保の改革」を期待する声が多く見受けられました そして、最後の将軍である15代将軍・徳川慶喜が第10位という結果に。 ここからは、興味深い意見をまとめて紹介します。
▼福沢諭吉「学業で有名なので、そういう面で正しい道に日本を引っ張っていってほしい」(50代、女性)
▼卑弥呼「女性の首相を期待しているから」(50代、男性)
▼伊藤博文「昔の政治ではなく今の政治ならどうするのか知りたい」(20代、女性)
▼菅原道真「天才的頭脳で政治・経済・文化……様々な分野を立て直して頂きたいです」(40代、男性)
「いま日本の総理大臣になってほしい歴史上の人物」ランキング、いかがでしたでしょうか。上位は不動ながら、後半になるにつれ、顔ぶれが大きく変わる並びとなりました。ちなみに、前回はほかに黒田官兵衛、勝海舟、上杉鷹山、吉田松陰といった名前が挙がっていました。また数年後に、同じお題のランキングを実施することになった際には、どんな名前が挙がるのか楽しみですね。
今回、歴史上の人物に寄せられた期待は、今の日本に足りない面ともいえます。歴史に学ぶとはよく聞きますが、今回の結果が、今後の政治を考える際のヒントとなれば幸いです。
更新:11月21日 00:05