2015年01月30日 公開
2022年07月27日 更新
混迷している、と言われて久しい日本の政情に、一石を投じてくれるような指導者を歴史上に求めるとしたら誰か。14年9月号掲載の「サッカー日本代表を率いてほしい名将」(1位から順に、信長、家康、秀吉、龍馬、官兵衛)と比べてどうなるか……と考えていましたが、結果はご覧の通り。政冶もスポーツも、「実行力を備えたカリスマ的リーダー」が必要、という意味では同じなのかもしれません。
では、ランキングをご紹介しましょう。
第1位 坂本龍馬 24.9%
第2位 織田信長 14.5%
第3位 徳川家康 6.0%
第4位 聖徳太子 5.0%
第5位 黒田官兵衛 3.8%
第6位 豊臣秀吉 3.0%
第7位 勝海舟 2.3%
第8位 上杉鷹山 2.2%
第9位 西郷隆盛 2.1%
第10位 吉田松陰 1.7%
1位の座は、圧倒的得票数でもって坂本龍馬が勝ち取りました。多く挙がった「今こそ再び『日本を洗濯』してほしい」というコメントが全てを総括しているようにも思います。「因習を打破し、難題を次々解決してくれそうな爆発力」(20代、女性)、「大胆な発想と行動力で、閉塞感一杯の今の日本に風穴を開けてほしい](60代、男性)、「土佐弁でビシビシ発言してほしい」(60代、男性)。
また、行動力に任せて突っ走るのではなく、「立場が違う人の意見にも耳を傾け、良い所を取り入れ」(30代、男性)て、周囲との関係作りに心を配る政冶をしてくれそうだ、という声も。「志半ばで倒れた坂本龍馬の見ていた新日本の姿を見てみたい」(20代、女性)。早逝が未だに惜しまれます。
2位の織田信長へのコメン卜では、とにかく「実行力」「決断力」という言葉が目立ちました。「破天荒のなかにも知的センスと実行力がある」(40代、男性)、「思い切った決断を断行できるのは信長しかいない」(60代、女性)。彼が実際行なった政治には賛否両論あれど、今の日本には「良くも悪くも停滞しないで前に進んでくれそう」(20代、女性)な押しの強さが必要かもしれません。
3位は、約260年も続く「太平の世」の礎を築いた徳川家康。(乱世の現代を再び平穏な世の中に作り直してほしい」(60代、男性)。彼は、「自分が天下を取るまで忍耐強く時期を待つ」(20代、女性)ような「したたかさ、長期的戦略に基づく確実な戦術」(40代、男性)を持っていました。また、信長や秀吉と比しての対外交渉力の高さを挙げる方も多数でした。
4位の聖徳太子は、人の意見に(いっぺんに)耳を傾けられる才能ゆえ、「バランスの良い政策を実行してくれそう」(40代、男性)。
5位は、大河ドラマの後押しもあって黒田官兵衛。「大局にも小局にも素晴しい政治手腕を発揮できる人物」(50代、女性)、「官兵衛が増税と言うなら、信頼して納められる」(30代、女性)。
6位以下は表の通りです。9位の西郷隆盛には、龍馬が1位になることを見越してか、「西郷は坂本の考え方に同意しさらに彼を包み込む懐の大きさを持っていた」(40代、男性)というご意見も。今月号の総力特集に登場した吉田松陰も10位にランクインしました。
続けて、少数票ながら興味深いコメントをいただいた人物をご紹介します。
・伊藤博文「初代総理大臣は、今の日本国、国民、政権を見て何を思い、どう行動するか知りたい」(30代、男性)
・藤原良房「律令制を打破し、国民生活向上のため自費を投じて土地を開墾した。結果、国内の食料生産量は増え、失業者も激減。今の日本の抱えている格差問題も、失業問題も、国家財政の問題も、彼は解決した」(40代、男性)
・板垣退助「庶民派の政冶家だったので、現代の庶民の暮らしを十分理解して、諸政策を立案実行してくれると思います」(60代、男性)
・保科正之「江戸城の天守閣再建の費用を、振袖火事で焼けた江戸の街の再興に使うなど、江戸初期にあれほどヒューマニズムに富んだ仁政を行なった人は他にいない」(50代、男性)
・毛利敬親「『そうせい侯』と呼ばれた彼のように、トップは自己が優秀であるよりも、部下が真剣に働く環境を整えるべき。そして結果については責任をとる](40代、男性)
・武田信玄「荒れ狂う日本を『信玄堤』のごとく収め、『風林火山』のごとく事をサバいてくれそう」(男性)
・尾崎行雄「時代の空気がどのようなものであろうと、『本当の政冶』『国民のための政冶家』について真剣に考え、ブレずに意志を持ち続け、行動してみせた」(40代、男性)。
今月も多彩なご意見、誠にありがとうございました!
更新:12月12日 00:05