三国志の登場人物を知ると、生き方のスパンが変わるというか、人生を見る目線が長くなります。それも、三国志の魅力ではないでしょうか。
どんな英雄でも負けたり、失敗することがある。そう思うと、目の前の失敗や成功にこだわることもなくなるでしょう。
また、劉備の後を継いだ劉禅という人物をご存じでしょうか。幼いころの名前を阿斗というのですが、彼は聡明でなかったとされ、現在の中国でも、愚かな人物を「阿斗」というのだそうです。
もう1800年近くもたつのに、いまだに愚か者の代名詞とされている……。
そう考えると、後世の人からそういわれないよう、一瞬一瞬を大事に生きなければって、思いますよね。
それから、三国志というと「男の世界」に見えるかもしれませんが、女性にもお勧めしたいです。
人に勝ちたいと願ったり、そのために策を巡らせたり、時にはお酒で失敗したり……。
登場人物たちのそういう姿は、出世を願ったり、仕事で失敗したりする現代人と、さほど変わりません。
だから、「男の考えることは、だいたい三国志に書かれている」と言っても過言ではありません。「男性図鑑」と言ってもいいでしょう。男という生き物を知るうえで、格好の材料となるのではないでしょうか。
三国志への入り口は、たくさんあります。どこから入ってもいいと思います。僕のように、ゲームから入って、漫画、小説へと進むのもいいでしょう。
ゲームはたくさん出ていますし、漫画であれば、横山三国志のほかに『蒼天航路』、映像作品では『レッドクリフ』が入りやすいのではないでしょうか。
とにかく、どんな年齢になっても、三国志の世界からは様々な気づきを得られるので、まだという方には、早く知ってほしいですね。
今から1800年ほど前。日本で卑弥呼が邪馬台国を治めていた頃、中国では約四〇〇年続いた漢王朝が混乱していた。 政治が腐敗し、民衆の反乱が勃発。その混乱に乗じ、皇帝をおさえた董卓が権力を握る。それを倒そうと、群雄たちが立ちあがった。 まずは、呂布が董卓を倒す。すると今度は呂布が、曹操と、関羽と張飛を従えた劉備に討たれる。勢いにのる曹操は、袁紹も破って、中国の北半分を押さえる。さらに天下統一を目指して南下を開始。 ところが、諸葛亮を軍師にした劉備と、孫権の連合軍に敗れてしまう(赤壁の戦い)。 やがて曹操は魏、孫権は呉、劉備は蜀という国をつくり、三つ巴の攻防を展開していくことに……。
更新:11月23日 00:05