2018年09月01日 公開
2022年07月27日 更新
将軍に順位を付けるなど不敬だ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、歴史を扱う身として一度はやってみたかった、今回のお題。15代全員に票が…とはいきませんでしたが、12人に票がばらけたというのは、みなさまも意外だったのではないでしょうか。ただ、数え5歳で将軍となり、在職期間3年の7代・家継にはなんとも不利な戦いでしたね。
このお題、1位はなんとなく予想ができましたが、ここまでの得票率になるとは、思ってもいませんでした…。しかし、編集部が知りたかったのは、2位以下の結果。みなさまの予想と比べてみて、いかがでしたか? それでは、細かく見ていきましょう。
これまで「好きな剣豪ランキング」の宮本武蔵(41%)が、得票率ナンバーワンの座を守ってきましたが、今回、それを大きく上回る数字が出ました。徳川幕府初代将軍・家康が、約60パーセントの得票率で、文句なしの第1位!
「前政権を滅ぼし、新しく作り上げ、継承させた初代が一番偉大だと思う」(30代、女性)「徳川幕府が長く続いたのは、やはり初代の家康が基盤をしっかり作ったから」(30代、男性)など、何も無いところから創り上げた功績と、約270年続いた幕府の基礎を固めたという点で、多くの方から「最も優れた将軍」として名前が挙がりました。また、「彼の部下を見抜く目は素晴らしいと思う」(20代、女性)など、優秀な家臣たちを揃えたその「鑑識眼」を高く評価する方も。
実は、家康の在職期間は2年ほど。それでも見事1位に輝くのですから、やはり初代というのは偉大ですね。
不覚にも「暴れん坊だから」(40代、男性)というコメントに笑ってしまいましたが、テレビドラマ「暴れん坊将軍」で知られる8代・吉宗が、第2位にランクイン。名君として語られることの多い吉宗ですが、質素・倹約を政治理念としていた点のほか、将軍主導の政治改革「享保の改革」や、庶民の意見を聞くための「目安箱」の設置などを評価する方から、票が集まりました。余談ですが、「暴れん坊将軍」がとても愛されているということも、アンケートでよくわかりました(笑)。
第3位は、「最後の徳川将軍」こと15代・慶喜。「大政奉還という、日本の近現代史を変える大きな決断をした」(20代、男性)、「何事も、始めることより、いかに終わらせるかの方が困難だと思う」(50代、男性)など、激動の時代における将軍としての決断に票が入る一方で、「幕府の軍制改革を短期間で実行した手腕」(40代、男性)という点を挙げる方もいました。
そして「幕府を開いたのは家康の功績だが、徳川幕府が長く続いたのは、家光が参勤交代など、治世を安定させるための制度を確立したことが大きい」といった意見から、3代・家光が第4位。続いて、近年、「生類憐みの令」が見直されつつある、5代・綱吉が第5位に。
在職期間の一番短い慶喜(1年)が、30年近く将軍の立場にあった吉宗・家光・綱吉と並んでトップ5入りを果たす結果となりました。
第6位は、家康の息子である、2代・秀忠。関ケ原の戦いに遅参し家康の不興を買った、という点に目が行きがちな秀忠ですが、「大御所の家康によって当初は権力が無かったものの、徳川の屋台骨を築いたのは、まさしく秀忠と思う」(50代、男性)など、将軍としての様々な大名統制や、幕府上位の朝幕関係の構築など、幕府の支配体制を盤石なものとした点を評価する方が多数。初代・家康と3代・家光の陰に隠れがちですが、「家康の後を引き継ぎ、しっかりと基盤を築いて、家光に渡した」(50代、女性)というように、忘れてはならない人物として第6位に。
第7位は6代・家宣。取り上げられる機会の少ない将軍ですが、将軍になってすぐ、綱吉の「生類憐みの令」を廃止し、罪に問われていた人々を大赦したことを挙げる方が、多く見受けられました。
そして、第8位に田沼意次を重用した10代・家治、第9位に勝海舟も称賛したという14代・家茂、第10位に4代・家綱、11代・家斉、13代・家定と続きますが、コメントは割愛させていただきます。
最も優秀なのは創り上げた者か、維持させた者か、終わらせた者か…。様々な意見が集まる、とても興味深い結果となりました。今後研究が進み、次の投票では順位がガラリと変わったら面白いですね。今回もたくさんのご投稿を、ありがとうございました。
更新:11月21日 00:05