2022年05月22日 公開
2023年01月01日 更新
あまたいる戦国武将のなかから、各都道府県で一人ずつを選び、短編小説に――。
くじ引きの結果、第33回は、どこの県の誰なのか。
執筆者は、今年1月、『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞!「くらまし屋稼業」シリーズが人気で、『八本目の槍』も「週刊朝日」の歴史・時代小説ベスト10で第1位を獲得、『じんかん』が山田風太郎賞を受賞、「羽州ぼろ鳶組」シリーズが第6回吉川英治文庫賞を受賞するなど、いま最も勢いのある若手歴史小説家・今村翔吾先生です。
この動画は、第33回のくじ引きを撮影したものです。
東京都は戦国時代、武蔵国の一部でした。
武蔵国で一番良く知られている城といえば、徳川家康が居城とした江戸城でしょう。
この江戸城は長禄元年(1457)、扇谷上杉氏の家臣・太田道灌によって築かれました。
道灌とその父・資清は主家をしのぐほどの力を持ち、相模・武蔵両国を事実上支配していました。
その後も勢力を増大させていった道灌ですが、文明18年(1486)、主の上杉定正に暗殺されてしまいます。
道灌の嫡男・資康は父の死後、家督を継ぎましたが、定正に攻められ甲斐国へと逃れます。これにより江戸城は、扇谷上杉氏の所有となりました。
しかし大永4年(1524)、扇谷上杉氏は北条氏綱に敗れ、今度は北条氏が江戸城を支配することに――。
天正18年(1590)の豊臣秀吉による小田原攻めの際、江戸城は開城。小田原城に籠っていた北条氏も降伏します。
秀吉は徳川家康に関八州を与えました。このときに家康は、江戸城を居城に定めます。
その後、関ケ原の戦いに勝利した家康は幕府を開き、250年以上にわたる江戸時代が幕を開けました。
三河国岡崎に生まれ、さまざまな苦難を乗り越えて天下人になった徳川家康。
その人生は、家康の遺訓にあるように、まさに重い荷物を背負い、長き道を行くが如きものであり、ようやく花が開いたのが江戸城であったのかもしれません。
そうした家康の最初の苦難ともいえる、幼少期の人質時代を描いた連載第33回は、5月6日(金)発売の「歴史街道」6月号に掲載されています。
更新:11月21日 00:05