公益社団法人福井県観光連盟
戦国時代、柴田勝家が居城を構えたことに始まる城下町・福井。北の庄と呼ばれていたこの地に、徳川家康の二男で福井藩の初代藩主・結城秀康が福井城を築いた。
大坂の陣で真田信繁を斃した二代目・忠直からは松平を名乗り、以後、明治維新にいたるまで、この越前松平家の城下町として、福井の街は発展してきた。
ところが、昭和20年(1945)の空襲、さらに3年後の地震と洪水で、古い町並みはあらかた消えてしまう。かといって、歴史を楽しめないかというと、決してそんなことはない。
堀と石垣が残り、近年、御廊下橋が復元された福井城址をはじめ、各地に歴史人物の像や石碑が残されているのだ。
市内は路面電車も走っているので、それをうまく使いながら回れば、一日、福井の歴史を満喫することができるはず。
また江戸時代から続く老舗も営業を続けており、歴史を味わうこともできる。
今年は明治150年。幕末維新に想いを馳せながら、一日過ごしてみてはいかがだろうか。
福井県の歴史・民俗分野を扱っており、時代を追って歴史を紹介する「歴史ゾーン」、昭和のくらしを体感できる人気のコーナーなど、常設展が充実している。9/30まで写真展「幕末明治 福井のすがた」を開催。8月には「映像で見る幕末明治福井館」が開館(〜11/30)、福井藩上屋敷のCG映像資料をはじめ、子孫の声を参考にしてつくられた、福井の先人たちの話す映像などが公開されている。9/22から11/4まで、特別展「幕末維新の激動と福井」も開催され、福井藩士・村田氏寿宛ての坂本龍馬の花押が入った貴重な手紙も初公開される。
縄文から昭和までの福井の歴史とともに、越前松平家関連の資料で大名家のくらしや文化を紹介。常設展の「幕末維新の人物」コーナーは見ごたえがある。9/22から11/4まで、特別展「皇室と越前松平家の名宝―明治美術のきらめき―」を開催。松平春嶽とその子・慶民は、明治になって以降は天皇の側近くに仕えたことから、第1部では、皇室からの引出物であるボンボニエール(菓子を入れる小箱)100点の展示をはじめ、皇室と越前松平家とのつながりを紹介。第2部では、初公開の大礼服(ドレス)など、明治美術工芸の精華を展示する。
堀と石垣の他、御廊下橋(写真)も今年、復元された。県庁などが建ち並ぶ本丸には、福井の地名の由来となった井戸「福の井」もある。
越前松平家の別邸で、「御泉水屋敷」と称されていた。春嶽も好んだという回遊式林泉庭園と数奇屋風書院造の建物がある。
横井小楠(写真右)と由利公正(左)の像がある。
更新:11月21日 00:05