あまたいる戦国武将のなかから、各都道府県で一人ずつを選び、短編小説に――。
くじ引きの結果、第1回は佐々成政×富山県、第2回は有馬晴信×長崎県、第3回は津軽為信×青森県でした。では第4回は、どこの県の誰なのか。
執筆者は、「羽州ぼろ鳶組」「くらまし屋稼業」シリーズが人気で、『童の神』が直木賞・山田風太郎賞の候補になり、新作『八本目の槍』も好評、いま最も勢いのある若手歴史小説家・今村翔吾先生です。
この動画は、第4回のくじ引きを撮影したものです。
埼玉県は、かつての武蔵国の一部にあたります。
戦国時代の埼玉県は、関東の覇権争いが続き、さまざまな勢力が入り乱れて複雑です。
鎌倉公方と関東管領が対立し、さらに関東管領は山内上杉氏と扇谷上杉氏が争い、そこへ南から北条氏が進出してきて……。
さまざまな戦いの中でも知られているのは、河越夜戦と、「のぼうの城」として映画にもなった忍城籠城戦。
その中でも河越夜戦は、関東における戦国時代のターニングポイントといえる戦いです。
「地黄八幡」の旗指物で知られる北条綱成が籠もる河越城を囲んでいた古河公方、山内上杉氏、扇谷上杉氏の連合軍を、救援にきた北条氏康が奇襲、見事に劣勢を跳ね返して勝利を収めました。
動画にもある通り、当初、今村先生は河越夜戦を小説にするつもりでしたが、上がってきた原稿は……なんと、岩付城の籠城戦!
なぜ、今村先生が河越夜戦ではなく、この岩付城の戦いを書きたくなってしまったのか――ヒントは「犬」です。
埼玉県の武将・太田資正とその次男・源太の、岩付城の籠城戦を描いた連載第4回は、11月6日(水)発売の「歴史街道」12月号に掲載されます。お楽しみに!
更新:11月21日 00:05